放浪記 大胆記述に 恐れ入る

 林芙美子尾道の産んだ大作家である。

 妻の実家にその「放浪記」の文庫本が置かれており、実家に泊まったときぼつぼつと読んでいる。森光子の演じる明るい内容の本と思っていたが、性的なことも含め、その奔放な内容に圧倒される。

 この本が戦前戦後を通じ評価されたことに日本の文化が決して、今のような底の浅いものであり続けているわけではないと感じた。