ケーキの切れない非行少年たち 読みました

 「ケーキの切れない非行少年たち」を妻が買ってきて、面白いというので読んでみた。問題行動を起こす人間にたいし、心理学による解決は限界があるというもので、学校教育などの問題点を指摘していた。

 学校の教育において社会の中でどのように生きていくかを考えるカリキュラムは皆無である。知的能力の劣る人間、身体的不器用な人間、柔軟性のない人間など競争力の脆弱な人間に対してコミュニケーション能力をつけて送り出そうとする組織的な仕組みはないまま一律なカリキュラムで優劣をつける。いじめられ、自己評価の低いまま学校を出て、待ち受ける今の日本社会はサービス業中心で、コミュニケーション能力がないと居場所がない。

 人間がみんな誇りを持てる社会を築くとはどういうことかを考えさせられ面白く読んだ。