津村節子 面白すぎて たまらない

 妻のお母さんに津村節子の本を読むようにと勧め、図書館から全集を1巻から6巻までを2週間に2巻ずつ借りて渡している。

 話題を共に語りたいと思い、私も読んでいない物を中心に読み直しているのだが、これが面白くてたまらない。これでもかというぐらいリアルに遊女や子供の身も心も汚され虐げられる生活を書きながら、それらの生活の中に誇りや愛情を見出す中で終わるのである。

 本屋に電話で津村節子の小説を買いたいので取り寄せてほしいというと文庫も含め取り寄せ不可能だと断られた。丸善での話である。電子書籍の普及による安心感からか、名作の切り捨てが躊躇無く進行しているようである。嘆かわしい時勢である。