川崎の殺傷事件で、拡大自殺という言葉があると言うことが分かった。どうせ死ぬのなら、一人で死ねばよいのにと私も思ったし、そのような主張がネット上でも拡大しているようである。
しかし、その考え方には問題があるように思う。
1つは、自殺を権利として人間が持っているとの考え方である。死が訪れるまで、生きる義務があるとの考え方が必要なのではないか。人と共生する道以外、多くの人間が90まで生きる時代は成り立たない。いざとなれば自殺をすればよいと考えてはならないし、そのような考えを人に押しつけてはならない。
もう一つは、死んだ後、自分の死を悲しんでくれる人がいるという確信がある人は、納得して死ねるが、自分の死を納得出来ないまま、誰にも認められることなく死に追い込まれていると思った場合、自分一人が地獄に落ちていくのは耐えられないであろうと思う。
軽々しく、一人で死ねと言うのは、控えたいものである。